昨日の夕方の空は、朝焼けのような夕焼けだった。 こないだ雷と共に狂ったように雨を降らせた空は、 別人のように穏やかな顔をしていた。 やっと私の好きな秋になった。 今年は季節が夏しかなかったみたいに、長い夏だった。 汗でねちゃねちゃの腕、ゴワゴワの髪に ただ耐えているだけの夏だった。太陽が沈む前の光が部屋の中に広がり、 TVも何もつけていないと、車の走る音が遠くに聞こえるだけ。 歩く人のない住宅街は静かで、寂しい、と思った。 この寂しさは、秋ということ、静かということ、 それから、"無い"ということ… "無い"は、これまであったはずの身体的な見た目や能力、 人との関わり、夢とか目標とか。 煩わし…