昭和60年ごろの朝、朝もやのかかる大学の坂道を登っていると、 後ろから後輩のハチヤ君が声を掛けてきた。 ハ「おはようございます。すごい霧ですねぇ・・・ ちょっと幻想的で夢のなかを歩いてるみたい・・・」 私「あ・・・おはよう・・・昨日の晩に雨が降ってたからねぇ・・・ 今朝は温かかったからこんなに霧が出たんだろうねぇ・・・」 ハ「いいなぁ・・・ ♪ 菜のは~なばたけぇに~あぁさぁひぃ~うすれ~ 山なかぁあるけえば~ か~すみ深し~・・・」 私「ははは・・・ひどい替え歌・・・・」 ハ「はは・・だけどちょっといいでしょ? 季節も暦でいえば『雨水』だし、 この時期って土脉潤起(つちのしょうおこり)、霞始…