ふとしたきっかけで、『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン著、青木薫訳:新潮文庫)をものすごくゆっくりとしたペースで読了しました。フェルマーの最終定理とは、3 以上の自然数 n について、「x^n + y^n = z^n となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」、という定理のことです。 「ものすごくゆっくりとしたペース」になったのは、数学が苦手だからです。ただこの小説は、数学が不得意とか得意とかは、ほとんど関係ありませんでした。本書でもっとも印象に残ったのは、この定理を証明したアンドリュー・ワイルズの次の言葉でした。 『大人になってからも子どものときからの夢を追い続けることができ…