9月30日時点で私の2021年文芸作品ナンバー1です(たいして数は読んでおりませんのに恐縮ですが)。いやはや・・・震えました。そしてほぼ一ヶ月と読み終えるまでの時間はとても長くかかりました(ボリューム自体は文庫版480ページです)。数ページをめくるごとに息継ぎをするように本を閉じて目を閉じて休まないと、この作品に掻き立てられた自分の感情に埋もれて溺れそうになるからです。 もともと、馳星周『少年と犬』が直木賞を獲って話題になっている頃、私のなかで気になっていた小説は、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」にゲスト出演して本を紹介していた野良読書家集団Riverside Reading Club…