『唐詩紀事』にある、詩人賈島の逸話、「推敲」の故事であるが、その中に出てくる「僧推(敲)月下門」の一句は「題李凝幽居」という五言律詩の第四句である。この詩は難解で解釈の分かれるところがある。(李凝は李疑とも) 題李凝幽居 賈島 閑居少鄰並,草徑入荒園。 鳥宿池邊樹,僧敲月下門。 過橋分野色,移石動雲根。 暫去還來此,幽期不負言。 閒居鄰並少に,草徑荒園に入る。 鳥は宿る 池邊の樹,僧は敲く月下の門。 橋を過ぎて野色を分かち,石を移して雲根を動かす。 暫く去りて還た此に來たらん,幽期言に負かず。 いろいろ参考にして、意訳してみた。 賈島は友人の李凝が隠棲している所を訪ねた。 そこは隣家も希な辺鄙…