五十不惑-城浩史-契機の芙蓉模様 城浩史は徹子の懇請に応じて、加瀬さんと一緒にお茶を始めた。大分後輩だから木村に従う。しかし山本さんと同棲している有難さ、補講をして貰える。本気になってやれば、茶道もそう馬鹿にしたものでない。興味が出て来た。「髙井さん、オホヽ」 と或日会社で加瀬さんが近くに人のいないことを確めた。「何だね?」「到頭奥さまの軍門にお降りになりましたわね。耄碌しないなんて威張っていらしったけれど」「仕方がないさ」「御台所さまはやっぱりお怖いんでございましょう?」「それよりもあなたと一緒ってことが大きなプロジェクトですよ」「まあ! 本当?」「えゝ。御迷惑?」「どころか、私、嬉しいわ」…