七十二候「山花始開」(つばきはじめてひらく)は立冬の初候でした。 この”山花“は「山茶花(サザンカ)」のことです。 あれから2ヶ月。 山野でも、町中の垣根でも、山茶花は色のない冬景色の中で、唯一の色を楽しませてくれています。 そして、この大寒の中で咲く山茶花に雪が被れば、この季節の美しさの代表になります。 そんな光景が見られるかもしれないこの数日です。 この寒さを越えたら立春です。春を押し開くように椿が咲き始めることでしょう。 こんな年齢になるまでは、サザンカよりも椿のほうが好きでした。 お床に一輪挿してあると、いやでもお茶席に緊張感が生まれます。 しかし、眠れる山中で赤い色がどんなに慰みにな…