中国古典文学大系 (36) 作者:馮 夢竜 平凡社 Amazon ★★★ 宋の仁宗の時代。老婆の姿をした狐の聖姑姑が、滞在先の華陰県で蛋子和尚と出会う。和尚は卵から生まれた僧侶で、白雲洞の石壁から秘冊『如意冊』を写し取っていた。『如意冊』は春秋時代に白猿の化身・袁公が天上から盗み出して下界に持ち込んだ代物。秘冊を解読した聖姑姑は妖術を習得、さらに彼女の弟子になった蛋子和尚も同じく妖術を習得する。やがて聖姑姑たちは貝州で則天武后の生まれ変わりである王則と出会い……。 「天后さまがご在位の時には、仏像を鋳たり、塔を造ったり、広く仏事をおこされた功徳は少なくなかったと聞き及びます。それを、なにゆえに…