出勤をする際、駅前の広場を通るのだけれど、その広場にはこの時期駅おじ(駅おじさん)たちが棲息していることが観測できる。 僕が出勤をする朝の時間には酔っ払った様子でクダを巻いており、帰宅する夕方頃にはやはり酔っ払ってクダを巻いている。たまに力尽きた様子で地面に転がっているが概ね無害だ。少なくとも僕には。僕からしてみたらほぼ幽世の存在である。 しかし、ひとによって考えが異なるのは当然。駅おじたちのことを快く思っていないサイドの人間もいたようだ。普段は交わらない彼岸と此岸をつなぐ存在を昨日目撃した。 いつものように駅前広場を通り過ぎようとしたら怒気をはらんだ男性の声が聞こえてきた。 「ここから出てけ…