エッセイスト。なだれの研究家としても知られる。
1910年岩手県沢内村(現・西和賀町)生まれ。独学で長年なだれの研究に従事し、1971年に国立林業試験場を退職。 また、エッセイストとしても知られており、1960年に日本エッセイストクラブ賞を受賞しているほか、日本雪氷学会賞、吉川英治文化賞、岩手日報文化賞を受賞。
山霞熊も目覚める奥信濃 (高橋喜平「雪国動物記」の挿絵から) 4月9日午後、長野県の北端にある飯山市に熊が出て、 3人が負傷したというニュースが入った。昨今はクマの事件が多いが、これにはびっくりした。現場は私の故郷で、しかも私の生家から2キロと離れていない場所だからだ。まさか、まさかと驚いた。 早速 実家の兄や近くに住む弟に状況を聞いた。現場は川の駅「花の駅千曲川」のすぐ近くのようだ。クマは1m くらいの成獣らしく、警察や消防団が探したが、千曲川の堤防近くで足跡が途絶え、杳として姿をくらました。 「それにしても一体どこから来たんだろう」と兄弟は首を傾げていた。この地は広い盆地でその真ん中なのだ…