それは、高校2年の3学期。そろそろ「受験」「進級」という単語が黒板にチラつき始め、本人たちよりも、親のほうがソワソワし始める時期であった。 で、事件は起きた。 うちの母・マサコは、真面目で怖い。普段は家業で忙しくて、よほどのことがなければ学校の父母会など出ないタイプ。「はいはい、通知表? あーそう」くらいのテンションで、今思えば…わりと放牧スタイルの母親であった。 しかし、その日は違った。「進路の話が出るらしい」と聞き、意を決して出席。私はというと、その日の放課後、いつもより早く帰宅いつもどおり漫画を読んで、クスクス笑っていた。 と…バンッ!と玄関が開く。そこには、怒りゲージMAXで帰宅した母…