昔々、鬼怒川の近くでは人間と鬼が仲良く暮らしていました。 その中に鬼怒太という鬼の男の子がいました。 ある日、鬼怒太が鬼怒川で遊んでいると、人間の女の子がやってきました。 時々、一緒に遊ぶ女の子です。 女の子は、親に叱られて、泣いていました。 鬼怒太は逆立ちしたり、変な顔をしたりして、 女の子を元気づけようとしました。 女の子は鬼怒太を見て、少しだけ笑いました。 鬼怒太は女の子にもっと元気になってほしくて、 持っていた金棒を貸してあげました。 「これ、貸してあげる。 この金棒は、お守りだよ。 きっと、守ってくれる。 持ってるだけで大丈夫。 絶対に振り回したり、叩いたりしちゃダメだよ。」 その日…