コロナがまたもや猛威をふるい、まん防法が適用されてしまった中ではあったが歌舞伎座に足を運んだ。そのせいか入りはお寒い感じで、俗に二・八とは云うが、中々厳しい客席だった。だからと云う訳でもなかろうが、芝居も今一つ盛り上がりを欠いていた印象だった。 幕開きは『鬼次拍子舞』。二十年ぶりの上演だと云う。筆者は初めて観た狂言。主演の芝翫がコロナに感染し、筆者が観劇した日は彦三郎が代演。しかしその後彦三郎も濃厚接触者に指定され、弟の亀蔵が代演した様だ。現在は芝翫が復帰したらしいが、松竹も毎月気が気ではないだろう。流石に二回も役者が替わったのは、コロナ禍の中でも初めてではなかったか。二十年ぶりの上演なので当…