私はファンタジーが好きだ。これは何もドラクエのようなファンタジー世界に限った話ではなく、古代文明や神話といった現在、自分の目で確かめることの出来ないもの全てにロマンを感じている。 魔法というものにも憧れがあった。自らの手で火をおこしたり、水を出すことが出来る。なんと素晴らしいことだろうか。しかし、それは実現不可能である。 ある時、なにか形見を残したいと思い調べていたところ、つげ櫛という櫛があることを知った。木で出来た櫛をヘアオイルに漬け込むことで油が滲み出る櫛であった。そしてそれは簡単に自作できるという。 原理は簡単でありながら、見るものには梳かすほどに髪がサラサラになるただの櫛。これはもう魔…