お酒の小売店。半世紀前の瀬戸にはたくさんあった。先輩に聞くと、それぞれの店ではコップに酒を入れてくれて飲ませてくれたと言う。店によっては一合枡の縁に塩をのせて出してくれるようだ。仕事が終わったり、銭湯から出たりした時に近くの小売店で1杯飲む。そんな良き時代を、思い出して話してくれる。羨ましい限りだ。 瀬戸には昔から有名な鯛利さんという酒屋がある。戦前までは宮前(深川神社前)で大きな看板を上げていた。瀬戸は焼き物の町、職人の町だ。15日と月末の月2回の給料日と次の日が休みになる。宮前は屋台が並び大騒ぎになった。鯛利さんで一杯ひっかけて屋台を回ったんだろう。 戦争で空襲の延焼を防ぐために、宮前から…