少し妙なタイトル。 でも、言葉にしておきたい記憶のひとつです。父の実家。この家の最も東側に位置する6畳は祖父母の居室です。祖父は生粋の無神論者でしたが、祖母は逆に、自分の心臓病のことがあり、法華さんに縋っておりました。毎朝、六時に起床。するとすぐに、東側の障子を全開とし、昇ってくる朝陽に向かって気合いを入れてパンパンと手を叩き、キレイにお辞儀をするのです。一年毎日欠かさずでしたが、何のことはない、それでも64歳であの世に逝きました。手を叩く音は、今も心のレコーダーにしっかり録音されております。我儘で随分な人でしたが、私はそれなりに可愛がってもらいました。その、祖母の拝む視線の先には、サイレン山…