静寂の中にある曼殊院門跡 白川通の一乗寺清水町バス亭で降り、山に方に向かって登っていくと、突き当たりに曼殊院門跡がある。曼殊院門跡は、青蓮院、三千院、妙法院、毘沙門堂門跡と並ぶ天台宗山門派の五大門跡寺院のひとつ。 もともとは比叡山西塔にあったが、1110年頃に北山に別院を建てた。この別院の場所に、後に足利義満の北山殿が造営されることになったため、相国寺の近くに移る。そして、江戸時代になった1656年、現在の東山に落ち着いた。 この場所に曼殊院を整備したのが良尚法親王。後陽成天皇の甥、後水尾天皇は従兄弟にあたる人物。兄の智忠親王は桂離宮を完成させたが、曼殊院にも共通した意匠が見られるため「小さな…