序文・ここにもあった特攻隊 堀口尚次 震洋(しんよう)は、太平洋戦争で日本海軍が開発・使用した特殊兵器〈小型特攻ボート〉。構造が簡単で、大量生産された。 震洋は、日本海軍が太平洋戦争中盤以降に開発・実戦投入した特攻兵器。 小型のベニヤ板製モーターボートの船内艇首部に炸薬(さくやく)を搭載し、搭乗員が乗り込んで操縦して目標艦艇に体当たり攻撃を敢行する。 「震洋」の名称は、特攻部長・大森仙太郎少将が明治維新の船名を取って命名したもの。秘匿名称は特攻兵器として四番目であるため「㊃(マツヨン)金物(かなもの)」、㊃艇。震洋は、昭和19年5月27日に試作1号艇が完成し、8月28日に兵器として採用された。…