眠れる火山が目を覚ました――1990年の異変 長崎県の雲仙岳。その主峰・普賢岳は、江戸時代以来およそ200年もの間、静かにそびえていました。しかし1990年11月17日、この沈黙が破られます。 「最初は小さな揺れが続いていた。山の様子が少しずつ変わり、硫黄の匂いが強くなった。」 地震活動が活発化し、ついに11月17日、普賢岳は噴火を開始。噴煙が空高く立ち上り、降灰が島原市内にも降り注ぎました。しかし、これは更なる惨劇の前兆にすぎませんでした。 1991年6月3日――火砕流が街を襲う 噴火が続く中、普賢岳には新たな溶岩ドームが形成されていました。このドームが崩壊したことで、ついに1991年6月3…