元禄15年4月28日。昼過ぎ、日置鉄砲台屋西村理右衛門宅で村瀬市左衛門を国友甚兵衛が不意に切りつける。市左衛門は相手をしようと後ずさりする。すると甚兵衛は迫り来て、座敷から廊下を過ぎ、終には奥の間で切り殺される。頭や肘を切って甚兵衛は立ち去るが、また戻って来て胸を突き、とどめをさす。初め理右衛門は隠れていたが、この時甚兵衛に少し切りつける。甚兵衛も理右衛門に切りつける。理右衛門は逃げ去り、甚兵衛も立ち退く。近頃、この3人は連れ立って伊勢を詣でていた。国に戻る際、津と上野の間で喧嘩になりかけたのを市左衛門がおさめた。土地も者や駕籠かきなども宥めたので大事にならずに帰ってきていた。その後、仲直りし…