元禄8年3月6日。辰半点(午前8時)、由右衛門が帰って来て忠兵へ行くと言い始めた。仔細を尋ねると下の女をやめさせたは私の責任ではないか、その他先日香葛籠を落としたことで迷惑をおかけしたと思うので詫を入れたいと言う。その他にも忠兵と関係のないことも言い始めると。人々は皆驚く。以前、由右衛門と下の女ふじとが仲違いした原因は由右衛門が物を盗んだとふじが言った言わないであった。もちろんふじをやめさせたは由右衛門のせいではなく、年季がきたからであった。全てが狂言であった。忠兵は後ほど出向いて詫びを入れるので、先ず帰るように言った。このため辛大根や江戸からの取り寄せ品などを持って忠兵はやって来た。この日源…