元禄16年7月9日。寅刻(午前3時)、地震がある。供番小尾伝左衛門が自殺する。堀田半七の婿でとても貧乏していた。座敷に蚊帳を吊らせ、昨夜から伏せっていた。今朝のこと。広敷目付熊木太左衛門が休息に来ていたが、この日立ち退く。用の書付などは箱に入れ、五十人小頭服部安之右衛門のところへ太左衛門の姉から持って来て置くが行方はわからず。安之右衛門弟は太左衛門の仲間で江戸にいた。そのため姉と偽って安之右衛門のところに用箱を持って来た。