宝永1年3月13日。氷上姉子神社は熱田の宮の別宮で尾張氏代々が祢宜職とし、祭ごとに出かけて祝詞を勤めていた。最近、大宮司家がわけあって蟄居する。近頃、氷上の祠官久米伝蔵が訴え出た。当社は熱田を起源とし、久米氏が代々神事を行ってきた。しかし、近年大宮司が勝手に熱田の祝師を遣わし、神事を勤めさせている。昔からのしきたりに反していると数々の罪を述べる。このため有司(役人)は尾張氏を詰問する。田嶋丹波はすぐに古証文を出し、氷上祢宜職は代々わが家が司ってきた。特に尾張寺(守)仲奉の譲状のごとしと云々。その状には譲り与う諸職のこと。合。一 祝師職 当屋敷家等一 社職給歩 私領その他悉く一 氷上祢宜職 その…