宝永1年5月16日。近頃、萱場池で40ばかりの女が裸で死んでいた。渋紙でくるんで捨ててあった。尋ねると建中寺前の借家の男が申し出た。これは我が妻で、病死したが寺へ遣わす力もなく、着せるものもないので捨てたと云々。近所の者たちでこの死骸を旦那寺へ遣わし、埋葬するようにとの命がある。