宝永2年4月16日。舞楽が例年通り行われる。茶堂林作(ママ)が近頃江戸で逐電する。この夜、駿河府中で自殺し損ねる。板乗物にのせて名古屋へ連れて来る。足軽頭市野辺伊右衛門は名古屋へ戻るので泊りが一緒になる。尾州衆のため府中の役人から林朔(ママ)のことが知らされる。伊右衛門が言うには、このようなことは役人のほかは確かめようがないことであると。尾張殿に仕える坊主であろうと自分にはわからないので確かめないと言って帰ってしまう。なんとバカなことを言う者だと人々は悪口を言う。伊右衛門は後に老中の叱りにあうと。