宝永2年7月5日。尾張の町々に伊勢御祓(厄払いの札)がたくさん降る。1日には日置村庄屋加兵衛の家。2日に呉服町下紺屋甚右衛門の家。3日大久保見町。そのほかあちこちへ降ったと男女が巡り歩く。ある商家の手代が詠む。此盆は古かけ迄もとりの年どこもかしこも御はらいがある。昨4日、町奉行から言いつけがある。御祓箱が降ったようだがこのことは家の中だけのこととし、外へは知らせないように。