正徳2年3月14日。文左衛門は明け方に出発する。歩いて久屋下田んぼ道から熱田へ行って参拝し、辰(午前7時)頃船に乗る。東風が少し吹き、船が少し揺れる。桑名が見え始めると雨が降り出し、段々ジメジメする。巳(午前9時)過ぎ、桑名に上がる。雨が大降りになり、東風がまた吹く。文左衛門は歩くが、合羽が破れてひどく濡れる。かぎ村で弁当を食べ、焼蛤で酒を頂く。申(午後3時)前、四日市に泊まる。風雨のため薬師まで行くことができなかった。