正徳5年12月25日。文左衛門は米16石8斗を来年申3月28日までの延べ(延べ取引)で彦六へ遣わし、この日米を渡す。1両で5斗6升替え。江戸を17日に出発し、備前に帰るという30ばかりの男を悪党が付けてきて、鳴海泊りの昨夜に宮の一番船に乗った方がいいと勧める。夜中に出発すると、天白の橋と石臼屋の出店の間で大勢で切り殺す。この男は60両を持っていたと云々。この男も脇差を抜いて立ち向かい、傷を負わしたとも。あるいは、何とか脇差を抜いただけとも。夜明け頃に息絶える。あるいは備前のとうす(刀子)造りと。尾張でもとうす造りの代金が40両ばかりあったと。この男の懐中には関所の札が2枚あり、脇差、はばき(鎺…