正徳2年11月29日。文左衛門は昼から頼母子会で瀬左へ出かける。戸丸勘兵・海野庄太八郎右、後に鈴木覚太もやって来る。一口は清香院、一口は八郎右と春田文之丞の組が得る。近頃、桜の町延命院が他国で隠居する。少し前、本寺長野万徳寺を同道させ、奉行所で6ケ条申し渡される。夜遊びのこと、同門疎遠、借家への抜け道、僧に似合わない医者することなど。閉門させた上でこのように隠居を申し付けられる。20年ばかり前にお気に入りの小姓がいた。成人した後弟子にしていた。先年、この弟(子)が延命院門前を借りて母と共に住んでいた。やがて弟子は死ぬ。この母に抜け道から延命院は通っていた。隠居の命の後、後の住職にこの小姓あがり…