文政5年11月1日。東掛所の上棟の式が巳の刻(午前9時)に行われる。大工行列の先に柱・棟木3本を日用方が大勢で吊り、木やり歌を唄い、指図をする。次に工匠の行列が続き、華麗であった。七面横町に当日に限って荷物を預かる店。新製みかん饅頭(みかん風に作る。よき細工)。橘町裏古道具屋も残らず総菜屋となる。橘町大木戸あたり西側も総菜屋となる。その少し上では新製御上餅というものを台にのせて売る。ゑびす町には新製しきしませんべえ、同八ッ橋せんべえもある。同2日から5日まで上棟飾り物を下し、役人小屋に飾る。村々町々からの餅を切手(切符)で配分する。新御堂の真ん中に餅を置き、方7間(1間は1,8メートル)、高さ…