昭和の終わりが近づいていたあの頃、街の空気にはどこか甘いプラスチックの匂いが漂っていた。放課後のランドセルを放り投げ、テレビの前に滑り込むように座り込むと、ブラウン管の向こうではヒーローたちが今日も世界を救っていた。彼らの活躍を見届けるたび、胸の奥がじんわり熱くなり、明日こそ自分も何か大きな冒険に出られるような気がしていた。 家の押し入れには、そんな夢を支えてくれたおもちゃたちがぎっしり詰まっていた。ロボットの関節は少し緩み、戦いすぎて塗装が剥げた部分もあったけれど、それこそが誇らしい勲章だった。変形ロボのカチリと鳴る関節音は、今でも耳の奥に残っている。あの音を聞くたび、世界が一瞬で広がり、畳…