ACTA

ACTA

(社会)
あくた

Anti-Counterfeiting Trade Agreement

知的財産権の執行を強化するために設立された国際条約。
「偽造品の取引の防止に関する協定」や「模倣品・海賊版拡散防止条約」とも呼ばれている。
日本は2011年10月に署名している。

概要

この条約の構想は日本の「知的財産戦略本部」が2005年7月に決定した『知的財産推進計画2005』に初めて盛りこまれたもので、日本はG8「グレンイーグルズ・サミット」において条約の必要性を提唱。
参加国は2011年10月1日に署名したアメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、日本、ニュージーランド、モロッコの8カ国。*1
EU、メキシコ、中国、ロシア、インド、ブラジルは不参加。*2

偽ブランド、模倣品を禁止するという条例の内容だが、インターネット上のコンテンツ(違法ダウンロードやパロディ(2次創作品)、引用など)、ジェネリック医薬品なども対象となり、国民の大多数が「違法行為」に手を染めた犯罪者となる可能性がある、と反対派の間で懸念されている。
2013年5月に発効が予定されている。

日本での動向

2012年8月3日、参議院本会議で、案件名「偽造品の取引の防止に関する協定の締結について承認を求めるの件」の採決が取られ、投票総数226票のうち、賛成票217、反対票9で可決した。*3

2012年8月29日、衆議院外務委員会でACTA他4つの協定の締結の承認を求める案件についての審議が行われた。
玄葉光一郎外務大臣は、インターネット業界などから反対論が上がっていることに対して、以下の4点をコメントした。

  1. ACTAでは、表現の自由、公正な手続き、プライバシーその他の基本原則を、各国がそれぞれの法令に従って維持することが繰り返し述べられている。正当なインターネット利用を制限したり、インターネットアクセスを遮断したり、インターネットサービスプロバイダーによる監視を義務付けるような規定は含まれていない。
  2. ACTAは、著作権の非親告罪化を義務付けるものではない。また、いわゆる違法ダウンロードの刑事罰化はACTAに規定されているものではない。
  3. ACTAは、商標権を侵害する物品については国境措置の対象としているが、真正の商標を付して輸出入されるジェネリック医薬品の国際流通がACTAのために妨げられることはない。また、ACTAは特許権を国境措置の対象から除外している。
  4. ACTAを締結するために必要な日本の国内法の変更は、技術的保護手段の範囲の拡大のみで、これはもう手当をされている。したがって、ACTA締結のために国内法令を変更する必要はない。
衆議院外務委員会で「ACTA」審議、野党欠席で空転 -INTERNET Watch Watch

背景

模倣品・海賊版の拡散は、正当な貿易及び世界経済の持続的 発展に対する深刻な挑戦である。模倣品・海賊版取引は権利者 及び正規産業にとり重大な経済的損失を惹起する。それはまた、 先進国及び発展途上国双方における持続的経済成長を阻害し, 消費者に対する健康や安全に関する危険となる場合もある。

ACTA 交渉参加国・共同プレス・ステートメント(pdf)

目的

正当な貿易と世界経済の持続可能な発展を阻害する知的財産権の侵害、特に模倣品・海賊版の拡散に締約国が効果的に対処するための、包括的な国際的な枠組みを構築することを目的としています。ACTAは、民事、刑事、国境及びデジタル環境における執行措置(例えば、税関当局による取締りなど)や、執行に関するACTA締約国の努力を支援するための締約国間の強固な協力のメカニズム、知的財産権の効果的な執行のための最良の措置を確立する規定等、知的財産権の執行に関する最新の条項が規定されています。

http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/acta/index.html

反対運動

過程が全く公開されなかったが、2008年5月にWikileaksにディスカッションペーパーの一部が流出、2010年3月には当時の条約案が流出した。
これにより(日本を除く)世界の参加国がACTAへの反対運動を起こした。
2012年7月4日、欧州議会では批准承認案件を賛成39、反対478、棄権165、反対多数で否決している。*4

問題点

  • インターネットサービスプロパイダへの監視義務の強制
  • ISPから操作当局への情報提供
  • ジェネリック医薬品の取り締まり
  • ポリシーロンダリング(実現したい政策を海外に出して、「海外で決まったから」といって国内法を成立させる。)

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