通関手帳。 ATA条約(物品の一時輸入のための通関手帳に関する条約)に基づき、職業用具、商品見本、展示会への出品物などの物品を外国へ一時的に持ち込む場合、外国の税関で免税扱いの一時輸入通関が手軽にできる。外国への輸入税の支払いや保証金の提供が不要となる支払保証書でもある。 一つのATAカルネで通関手続きの異なる数か国の税関でも使用可能。 カルネはフランス語で「手帳」を意味する。
ATAカルネ*1を使用すると通関手続きが簡単になります。免税のための面倒な申告・書類の準備が不要になるのです。 2012年にドイツ・フランクフルト空港税関で日本人音楽家が持ち込もうとした楽器の申告漏れを指摘され差押えられる事件が起きました。これを受けて、日本音楽財団においては貸与楽器と共に外国へ渡航する場合、ATAカルネを使用して通関手続きを行うことを義務づけています。 ATA Secretariat, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0 > ATAカルネの概要や発給方法 カルネ | 一般社団法人 日本商事仲…
前回の記事 関税関係法令を学ぶ |その3 関税三法の下位法令 の続き輸出入手続きに関係する特例法や条約について です。 特例法、条約 主な特例法 主な条約 二国間条約 多数国間条約 特殊な条約 その他補完する法律 特例法、条約 この記事では下図5~8の特例法と条約を扱います。 関税制度の基本的な枠組みは、関税三法とその下位法令・通達によって規定されていますが、特例法や条約が日常業務の根拠になっているものがあります。 特例法は、税関HPの所管法令等一覧で確認できます。 条約は、外務省HP条約データ検索から検索できます。 主な特例法 NACCS法 地位協定特例法 国連軍協定特例法 自家用自動車特例…
特殊な貨物の通関事例として、小惑星探査機「はやぶさ(初代)」のサンプルリターンについて、文献を読み解き・整理しました。 2020年に、はやぶさ2がサンプルリターンをしていますが、はやぶさ(初代)は2010年のことであり、当時日本で前例のない案件(日本から小惑星探査機を打ち上げて、小惑星でサンプルを採取したあとカプセルをオーストラリアに着陸させ、それを日本に持ち帰る)でした。法令では想定されていないことが多々あったようです。様々な機関との調整があったことが下記文献からわかります。通関に関係する部分だけ見ても、非常に興味深く、勉強になります。 詳しくは、こちらの日本航空宇宙学会誌にまとめられていま…