鳥の鳴き声と、窓から差し込む陽の光に目を覚ます。見知らぬ部屋の見知らぬベッドの上にいることに気づき、のそりと起き上がると、ちょうど窓に自分の顔が映り込んだ。 自分の顔である、というのは客観的事実で把握できる。しかし、記憶を失っている自分にとって、それが本当に自分の顔なのかどうかはいまいち信憑性に欠ける。 右と左での違う色の瞳…殊、左眼の奇妙な輝きに少し恐怖を覚え、急いで上着のフードを目深に被った。 ・ ・ ・ あのあと部屋にやってきた、トマという使用人の少年に、この館…ステラ座の案内をしてもらう。ステラ座のもう一つの顔…革命団の秘密基地たる地下室も案内してもらったが、記憶のない自分とっては、ど…