週末に見たアイリスという映画、心に沁みました。イギリスの女性作家アイリス・マードックを主人公に、アイリスの夫ジョン・ベイリーが書いた回想録『Elegy for Iris』を原作としている夫婦の40年を描いたドラマです。 晩年の妻がアルツハイマーを発症してしまうのですが、いわゆるお涙頂戴的要素は、まったくありません。 ≪ 小説家が言葉を失う ≫ ≪ 夫婦の生きてきた記憶が消えていく ≫ 想像しただけでも胸が痛い。 なのに 悲しいという感情を卓越した静かな感動が、心に沁み渡ります。 監督のリチャード・エアー氏は、映画監督であると同時にナショナル・ロイヤル・シアターの芸術監督を務められた高名な舞台演…