2025年3月1日、土曜日の新宿。午後の陽が、ガラス張りのSOMPO美術館に反射し、交差点を行き交う人々の影を淡く映し出していた。16時まで書き物をしていたら、すっかり遅くなってしまった。始まった「FACE展2025」に行かないと。 公募展には、ある種の空気がある。新進気鋭の画家たちが羽ばたく可能性と、埋もれていく現実。その狭間を見つめることは、自分自身の足元を確かめる作業にも似ている。 ルネサンスや印象派など何百年もの時を旅している名画ばかり見ていると、生まれたてのフレッシュな果実も味わいたくなる日々。 「ここから始まる」展覧会 かめはめ波 バスタブの中の視線 溶ける家、歪む風景 明日もし君…