バイデン政権が誕生した時、人事として一番驚かされたのは、FTC(*1)のトップに当時32歳と若いリナ・カーン氏が就任したことだった。パキスタン人の両親からロンドンで産まれたコロンビア・ロー・スクールの准教授。専門は反トラスト法である。以前から巨大ITのM&Aによる拡大や市場支配に警鐘を鳴らしていて、FTCという公的権力で巨大IT叩きをすると思われた。 しかし就任以降、米軍のアフガニスタン撤退、ロシアのウクライナ侵攻、台湾を巡る米中対立などが耳目を集めて、カーンFTCの動きについては僕も承知していなかった。しかし今回、こんな記事が目に留まった。 マイクロソフト取引の暫定差し止め求めたFTC請求、…