久しぶりに、いわゆる”良書”に出会い一気に読んだ。 「GHQ検閲官」という名前の書だが、実際の検閲業務については、もちろん詳説しているものの多くのページを費やしておらず、戦前の大陸での生活やその精神、戦後地方では農家でもない限り毎日の食料調達に大変なご苦労をされていた、というような生々しいお話が書かれており、記録としても大変な価値があるものと言える。 蒙古(現在は中国共産党に実効支配されている内モンゴル自治区)での出来事や、終戦後も中国の国府側である閻錫山の命により武装解除しないまま中国共産党と戦い続けた等、現代日本にあっては言ってはいけないかのように、メディアでは語られない話も多く出てくる。…