原 雅明 ビョークのニュー・アルバム『フォソーラ』は、長年の活動拠点だったニューヨークを離れて故郷アイスランドのレイキャビクで制作された。アメリカの暴力性に嫌気がさしたという報道もあったが、本格的にアイスランドに戻ったようだ。アルバムは、バス・クラリネットの六重奏がメインにフィーチャーされ、ビョークが10代の頃に所属していたというアイスランドの合唱団ハムラリッド・クワイアのコーラスや、ビョークやインドネシアのプロデューサー・デュオ、ガバ・モーダス・オペランディが手掛けたガバのビートから構成されている。前作『ユートピア』の流れもくんだサウンドで、室内楽、エレクトロニック・ミュージック、フォークロ…