85兆円の「生存税」と、のび太の自動車外交 1. 祝砲の陰で「本丸」を明け渡す司法の限界 2026年2月20日、米連邦最高裁が下した判決——「大統領にIEEPA(国際緊急経済権限法)による無制限の関税権限なし」——に、永田町や霞が関は一時沸き立った。だが、投資家の視点からこの判決文を読み解けば、これが自動車産業にとっての「勝利」などではないことが即座に理解できる。 トランプ政権が関税をかける際に使い分ける「二つの刀」のうち、司法が折ったのは「錆びた脇差(IEEPA)」に過ぎない。自動車という「本丸」を狙う「業物の太刀(232条)」は、依然として大統領の右手に握られたままである。 判決に浮き足立…