GW直前、急激な円安が市場に衝撃を与えた(*1)。1日で3円ほども下げた結果、1ドル=160円の世界も見えてきている。直接のきっかけは、日銀植田総裁が先月の金融政策決定会合で「現状維持」を決め、 「現下の円安は無視できるか?」 との問いに、シンプルに「はい」と応えたことにある。もう少し何かニュアンスを持たせることはできなかったのかと思うが、しょせんそれは戦術的なミス。「アベノミクス」の強引な円安誘導を是正できない、戦略的なミスに比べれば大した話ではない。 すでに第二の「アジア通貨危機」に入り始めたとする記事(*2)もある。米国FRBが1994年から利上げを繰り返し、アジア通貨が投げ売られる環境…