東西冷戦時代に実在した、旧ソビエトの諜報機関KGBのスパイ、オレーク・ゴルジエフスキーの実話。KGBのスパイでありながら、母国の共産主義に疑問を持ち、英国のMI6の二重スパイとなる。この書籍は、一人のスパイの人生を通し、我々はどのような世界に生きたいのかという問いを投げかける。つまり共産主義と自由主義という社会システムの良し悪しを、個人の価値判断の問題にまでブレイクダウンし、考えるきっかけを作ってくれるのだと思う。1960年代、世界は二つの陣営に大別された。東側はソビエト連邦を中心とする共産主義国家、西側は米国、英国等の資本主義国家である。ソビエトに生まれ、KGBのスパイとして活動し始めたゴル…