『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その39 『まほうをつかう一寸法師〈KHM39〉』 【あらすじ(要約)】 一番めの話 昔、ある靴屋が悪いことをした覚えもないのに貧乏になってしまい、たった一足の靴をこしらえるだけの革のほかには何一つなくなりました。 靴屋は日が暮れてから、その革を裁って明朝仕事にかかるつもりでした。 朝、仕事をしようとすると、靴は出来上がっていて仕事台の上に置いてありました。 おじさんは不思議で開いた口がふさがりません。靴を調べてみると、手ぎれいな仕事で職人が腕を振るったものとして恥ずかしくないものでした。 そこへ買い手が店へ入ってきて、この靴を気に入り、普通の値段より高く買…