隈研吾氏設計「新国立競技場」(イメージ) 建築家・隈研吾氏。その名は、今や日本国内だけでなく、世界中で最も知られる日本人建築家の一人と言っても過言ではありません。木材をはじめとする自然素材を巧みに操り、周囲の環境に柔らかく溶け込む「負ける建築」は、多くの人々に安らぎと感動を与えてきました。しかし近年、一部で報じられる彼が手掛けた公共施設の劣化問題は、その輝かしいキャリアに新たな、そして無視できない影を落としています。 この記事では、隈研吾氏のこれまでの歩みをたどりながら、その建築の根幹にある魅力、そして現在直面している厳しい評価、さらには彼の建築が今後どのように位置づけられていくのかについて、…