63年録音のこの作品はリリース当時大ヒットしたそうですが、果たしてどこがそんなに受けたのか、聴いた限りではちょっと分からないところがあります。 リー・モーガン自身としては、スランプからの起死回生作品ということで、市場に受け入れられたのは誠にめでたい出来事なのですが、どの部分がそうなのか。通常のハード・バップ形式のジャズから、ブルースやポップスの領域に一歩踏み出た要素を持っていたのか、あるいはそのスター性からなのか、今ひとつ判然としませんが、聴きやすいことだけは確かです。 60年代初頭なので、既にビートルズも出てきているし、ポップスの世界では変化が絶えず起きていた中でのジャズの復活、などという現…