融資詐欺の一種。
手口としては、企業に架空の巨額の融資話を持ちかけて、手数料や準備金、融資のための書類を作るための印紙税が必要だと言ってお金を騙し取る。もちろんそれらを支払っても融資はなされない。
M資金詐欺にはGHQがらみの話*1の他に皇族関係の秘密財産、華僑、アラブ系オイルダラー、ユダヤ系財閥、G7(先進国7ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議)やマルタ騎士団が登場するケースもある。
戦後日本の占領統治にあたったGHQ/SCAPの秘密資金のこと。
高野孟らによれば、以下の資金がプールされたものとされる。
これらが日本占領の終了後に統合されたものがいわゆるM資金の本体で、以後戦後日本の産業復興のための原資として用いられたとされる。
が、公式な文書とか領収書とか予算計画とかが残っているわけではない(残っている性質のものでもない)ので、この辺りはキャノン機関の活動の実体とか、児玉誉士夫が中国から引き揚げた時に持ってきた児玉機関の資産がどうなったのかとかと同程度には謎である*8。
*1:バリエーションがいろいろあり、Mの意味はマ元帥だったりMAS協定のことだったり、マーカット少将のことだったりメースンリー(フリーメーソン)だったり。要は戦後GHQが作った産業復興用の巨額の秘密資金があり、それが現在も活動を続けており、その融資先を探している、というのが骨子。融資の条件など、いろいろ細かい点にも工夫が見られるが省略
*2:参謀第二部。本来は情報を担当する部署
*3:Charles A.Willoughby。たたき上げの軍人で強烈な反共主義者
*4:Economics and Science Sectionの略。経済科学局と訳される。経産省と財務省を足したうえで、ついでに旧労働省と旧経企庁(と日銀)を加えたような存在
*5:William F.Marquat。マッカーサーの最側近グループ、いわゆる「バターン・ボーイズ」の一人。
*6:占領地救済政府基金の略称。敗戦後の日本・ドイツが必要とした食料・医薬品等の必需物資の緊急輸入用にアメリカが拠出した資金
*7:占領地経済復興基金の略称。名前の通り、日本・ドイツの経済的再建のために用意された資金。工業原料の輸入などに当てられた
*8:常識的に考えれば、情報活動に機密費は不可欠だし、ESSみたいな組織を回せばいくらでも金が湧いてくるのも確かで、その種の資金をGHQが持っていたところまでは不自然ではないと思われるが