NHK、Eテレ、「100分de名著」、12月のテーマはフランスの社会学者ブルデューの『ディスタンクシオン』でした。解説したのは岸政彦。その気さくな語り口で難解なブルデューの大著が身近な問題として理解できたような気がします。 その反響が大きかったのか、あちこちの書店の人文コーナーでブルデュー祭りが繰り広げられているのを見ました。 「ディスタンクシオン(distinction)」はフランス語で、区別、差異、格差、卓越といった意味です。英語では同じ綴りで「ディスティンクション」です。 自らの意志で選んだつもりの「趣味」が、社会的、経済的地位によってあらかじめ決定されていたのだ、ということが解き明かさ…