先日、ケネディ&チャーチルの『ヴォイニッチ写本の謎』を読み直した。 著者たちは普通の作家たち(それにしても凄い組み合せの名前)だ。BBCの特別番組の書籍化したものなので特別な偏向はない。つまり、この謎の手稿に対して、古代の叡智だの、秘密結社の秘本だの、賢者の暗号本だのという思い込みがない。それだけ客観性をもって、古今東西でも最も写本の謎を追い求めている。 ロジャー・ベーコンが著者だというのが、発見者のヴォイニッチの説だった。たしかにあのフランシスコ会の天才的な修道士なら、この隠秘的なノートを残す可能性があっただろう。 そして、この手稿は修道士の独自な暗号で書かれているというわけだ。 雰囲気が味…