原 雅明 ここ最近、女性シンガーの新譜に興味を引かれることが多い。まずは、ロンドン在住のナイジェリア系シンガーでハープ奏者のダヴィーナ・アデオスン・ブライトが、ニックネームの“muva”(飛ぶを意味する)から取ったムーヴァ・オブ・アースの名義でリリースしたデビュー作『align with Nature's Intelligence』から取り上げたい。アフロ・フューチャリスティックなジャズやソウルを土台にした演奏も魅力的だが、声にとても引き寄せられるものがあった。アリス・コルトレーン、サン・ラー、ドン・チェリーからの影響を挙げ、フリー・ジャズ的な展開を途中で見せる中でも、彼女の声は際立っている。…