父親が昭和40年代に買った家は横浜市でも奥地にあった。相鉄線の駅もあったが家の近くの団地から横浜駅までの直通バスも走っていた。不便な場所だったが「地下鉄が走る」という話もあったらしい。しかし地下鉄は来ることもなく今もそこは不便な地だ。父はそこは売り払い、便利な街へ引っ越した。今その辺りを走っても狭い国道はそのままで渋滞も解消されずに、何の変化もない。強いて言えば最寄り駅から相鉄線が分岐しJR・東急との相互乗り入れが実現し、しかけていることだった。しかしその駅からもまだ遠い昔の家の周りは、少し寂れた風景になっていた。 そんな昔話を思い出したのは、数か月前のサイクリングで期せずある風景を見たからだ…